こんにちは!株式会社MORE UP BOOST代表の中嶋です。
おそらくあなたは、「ベトナムのテト(旧正月)って、いつ、何をするの?」「新年のあいさつは何て言えばいい?」と気になって、このページにたどり着いたのだと思います。結論からお伝えすると、テトはベトナム最大の祝日で、家族と親戚が集まり、桃の花を飾り、お年玉を配り、ひたすら親戚の家を回って過ごす一週間です。そして新年のあいさつは、まず「Chúc mừng năm mới(チュック ムン ナム モーイ)=あけましておめでとう」を覚えれば大丈夫です。
じつは私、妻のロアンの実家があるベトナム北部・バクニン省で、息子がまだ0歳のときに育児休暇を取り、3か月ほど滞在してテトを”生活として”体験しました。この記事では、そのとき肌で感じたテトの過ごし方・風習を、日本のお正月との違いも交えて正直にお伝えしつつ、そのまま使えるお祝いのあいさつフレーズを音声つきでまとめます。

📌 中嶋駿のプロフィール
✅️株式会社MORE UP BOOSTの代表取締役
弊社は、日本とベトナムを繋ぐ架け橋として、オンラインベトナム語講座の運営や日本食品のベトナムへの輸出販売等の事業を行っています。
✅️ロアンのベトナム語講座の運営
受講者500名以上、導入企業40社を誇る「ロアンのベトナム語講座」を運営中。完全マンツーマン担任制のオンライン授業で、初心者でも短期間でベトナム語が話せるようになるよう、質の高い講師陣と教材を揃えています。
✅️YouTube「カケル&ロアン」の運営
チャンネル登録者数14,000人を超えるYouTube「カケル&ロアン」では、国際結婚の視点を活かしてベトナム文化や語学の情報を発信しています。
✅️妻はベトナム人
妻のロアンはベトナム北部出身。日常的にベトナム語に触れる環境で、本記事のベトナム語に関する内容もネイティブ視点で確認しています。
先に結論
- テト=ベトナムの旧正月。時期は毎年変わり、だいたい1月下旬〜2月中旬。直近では2027年は2月6日、2028年は1月26日が元日にあたります。
- とにかく家族・親戚が主役。大みそかに家族で集まり、元日からは親戚の家を次々に回って、食べて飲んで、子どもにはお年玉(lì xì)を配ります。
- 飾りは桃の花(北部)。北部はピンクの桃の花「hoa đào」、南部は黄色い梅の花「hoa mai」。大きな花木を家の中に飾ります。
- あいさつはまず「Chúc mừng năm mới!」。これひとつで新年のあいさつは成立します。相手に合わせて anh/chị を足すと、ぐっと丁寧で温かくなります。
ベトナムのテト(旧正月)とは?いつ?

テト(Tết)は、正式には「Tết Nguyên Đán(テト・グエン・ダン)」といい、ベトナムでいちばん大切な、旧暦のお正月です。日本の元日が新暦(太陽暦)の1月1日に固定されているのに対し、テトは旧暦(太陰太陽暦)にもとづくので、毎年日付が動きます。
だいたい1月下旬から2月中旬のあいだで、直近では次のとおりです。
- 2027年のテト(元日)=2月6日
- 2028年のテト(元日)=1月26日
公式の祝日は元日の前後をあわせて約1週間ですが、実際には大みそかの数日前から準備が始まり、街全体が一年でいちばんそわそわした空気に包まれます。会社も学校もお店も長期で休みに入るため、この時期に旅行を考えている方は、お店や交通機関が通常どおり動かない点に注意が必要です。
【実体験】妻の実家・バクニン省で過ごした3か月のテト
ここからは、私自身の体験談です。私は妻ロアンの実家であるベトナム北部・バクニン省で、息子がまだ0歳のときに育児休暇を取り、3か月ほど滞在してテトを過ごしました。旅行者としてではなく、家族の一員として”生活の中のテト”を体験できたのは、今でも貴重な思い出です。
いちばん驚いたのは、とにかく親戚の家を歩いて回り続けること。私たちの場合は、まず父方の伯父(お父さんのお兄さん)の家に親戚一同が集合し、そこから歩いて行ける距離の家を、まるで大名行列のようにぞろぞろと連れ立って回っていきました。行く先々でお茶やお酒、お菓子をいただき、また次の家へ。元日から数日は、本当に何も仕事をせず、ただ親戚を訪ね、食べて飲んで、また訪ねる。それだけなんです。
各家では、亡くなったご先祖様に線香をあげてお祈り(お辞儀)をしてから、みんなで食卓を囲みます。大人たちは親戚の子どもたちにお年玉(lì xì)を配り、子どもは新年のあいさつをしてそれを受け取ります。日本のお正月とよく似た光景でありながら、その”密度”がまるで違いました。
テトの過ごし方・7つの風習

私が現地で体験した、テトを形づくる代表的な風習をまとめます。日本の感覚とはひと味違う、ベトナムならではの過ごし方です。
① 桃の花(hoa đào)を家の中に飾る
北部のテトに欠かせないのが、ピンク色の桃の花「hoa đào(ホア・ダオ)」です。妻の家でも花木を買ってきて、玄関やリビングのようなメインの部屋にドンと飾っていました。日本ではあんなに大きな木を家の中に入れることはまずないので、最初は本当にびっくりしました。花の色も驚くほど鮮やかなピンクで、部屋がパッと華やぎます。ちなみに南部では、黄色い梅の花「hoa mai(ホア・マイ)」を飾るのが定番です。
② バインチュン(bánh chưng)を食べる
テトの食卓の主役が、もち米を豚肉と緑豆で包んで、バナナの葉でくるんで長時間ゆでた四角いちまき「バインチュン(bánh chưng)」です。驚いたのは、妻の家では家のすぐ横で自家製で作っていたこと。大きな鍋で何時間もゆでるので、火をずっと見張っている必要があるのですが、家に燃え移る心配がないくらい離れた場所で、のんびり作っていました。
③ ご先祖様を祀る(cúng gia tiên)
テトは、亡くなったご先祖様を家にお迎えする行事でもあります。祭壇に果物やお菓子、料理をお供えし、線香をあげて手を合わせます。訪ねた親戚の家でも、まずご先祖様にお祈りしてから食事、という順番が自然に守られていました。
④ 親戚まわりとお年玉(lì xì)
元日からの数日は、ひたすら親戚まわり。そして子どもたちの楽しみが、赤い袋に入ったお年玉「lì xì(リー シー)」です。北部では「mừng tuổi(ムン トゥオイ)」とも呼びます。子どもは新年のあいさつをしてから受け取るのがお約束です。
⑤ 初詣に出かける(đi lễ chùa)
新年には、お寺や寺院にお参りして一年の幸運を願います。私は行けませんでしたが、妻の兄のお嫁さんは、有名な寺院までわざわざ足をのばしてお参りしていました。日本の初詣とよく似た感覚ですね。
⑥ ずっと同じ”ごちそう”が続く
面白いのが料理です。日本のお正月は、おせち・お雑煮・年越しそばと、種類が多く彩りもさまざま。いっぽうベトナムのテトは、ここ数日ずっと似たような家庭料理が続きます。私が毎日のようにいただいたのは、空芯菜のニンニク炒め(rau muống xào tỏi)や、ゆで鶏(gà luộc)など。とくに鶏肉は、通りで生きた鶏を買ってきて各家庭でさばくのが”ごちそう”で、多くの人がふつうに鶏をさばけることにも驚きました。
⑦ とにかく仕事をしない
テトのあいだは、みんな本当に仕事をしません。ただ家族・親戚と集まり、食べて、飲んで、語らう。「一年でいちばん、家族のためだけに時間を使う期間」——それがテトなのだと、現地で過ごして初めて腑に落ちました。
テトのお祝い・新年のあいさつフレーズ【音声つき】

ここからは、そのまま使えるテトのあいさつです。まずは「Chúc mừng năm mới!(あけましておめでとう)」さえ覚えれば、新年のあいさつは成立します。そこに相手を表す anh/chị を足したり、縁起の良い決まり文句を続けたりすると、ぐっと本格的になります。気になるものから音声を再生して、口に出してみてください。
| ベトナム語(カタカナ) | 日本語の意味 | 音声 |
|---|---|---|
| Chúc mừng năm mới! チュック ムン ナム モーイ |
あけましておめでとう!(定番・だれにでも/主語なし) | |
| Em chúc anh chị năm mới vạn sự như ý! エム チュック アイン チ ナム モーイ ヴァン ス ニュー イー |
万事思いどおりの一年になりますように(年上のご夫婦・親戚へ) | |
| Con chúc ông bà sống lâu trăm tuổi! コン チュック オン バー ソン ラウ チャム トゥオイ |
おじいちゃん・おばあちゃん、いつまでも長生きしてね(祖父母へ) |
続いて、テトの定番である“縁起をかつぐ”お祝いの決まり文句です。四字熟語のようにまとまった言い回しが多く、大人どうしのあいさつでよく使われます。
| ベトナム語(カタカナ) | 日本語の意味 | 音声 |
|---|---|---|
| Chúc anh chị an khang thịnh vượng! チュック アイン チ アン カン ティン ヴオン |
ご健康とご繁栄を(フォーマルな定番のひと言) | |
| Chúc anh chị sức khỏe dồi dào! チュック アイン チ スッ コエ ゾイ ザオ |
健康に恵まれますように | |
| Chúc anh chị làm ăn phát đạt! チュック アイン チ ラム アン ファッ ダッ |
商売繁盛・お仕事の成功を | |
| Chúc em hay ăn chóng lớn! チュック エム ハイ アン チョン ロン |
たくさん食べて元気に大きくなってね(子ども・年下へ/お年玉のときに) |
日本のお正月との違い【文化差】

同じ”旧正月”でも、過ごし方は日本とずいぶん違います。私がいちばん強く感じたのは、日本のお正月は「家でゆっくり」なのに対し、ベトナムのテトは「ひたすら動く」ということでした。家でのんびりするより、親戚の家を一軒一軒訪ねて回るのが主役なんです。
料理の感覚も対照的です。日本はおせちにお雑煮、年越しそばと種類豊かですが、ベトナムは数日間、似たような家庭料理が食卓に並び続けます。それでも家族みんなで囲むから、飽きるどころか温かい時間になる。文化の違いが、いちばん食卓に出るなと感じました。
もう一つ、正直な”裏側”も。ベトナム人の友人のなかには、「テトに実家へ帰りたくない」という人も少なくありません。理由を聞くと、「親戚が多すぎて、お年玉(lì xì)でお金がとにかく飛ぶから」。おめでたい行事の裏に、こうした現実的な悩みがあるのも、暮らしてみて初めて知ったリアルな一面でした。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2027年のテトはいつですか?
2027年のテト(元日)は2月6日です。テトは旧暦にもとづくため毎年日付が動き、翌2028年は1月26日が元日にあたります。公式の祝日は前後をあわせて約1週間です。
Q2. テトの期間に旅行しても大丈夫ですか?
お祭りの雰囲気を味わえる一方で、多くのお店・レストラン・一部の交通機関がお休みに入ります。地方では特にお店が閉まりがちなので、食事や移動の計画は事前にしっかり立てておくと安心です。
Q3. 新年のあいさつは、ひと言だけなら何を覚えればいいですか?
まずは「Chúc mừng năm mới!(チュック ムン ナム モーイ)=あけましておめでとう」だけでOKです。これはだれに対しても使える万能のあいさつ。余裕があれば、相手に合わせて「Chúc anh…/Chúc chị…」と人称を足すと、より丁寧になります。
Q4. お年玉(lì xì)はいくらくらい包むものですか?
金額よりも「赤い袋に入れて、新年のあいさつとともに渡す」という気持ちが大切にされます。相手との関係にもよりますが、子ども一人あたり数万ドン程度が一般的です。新札を用意しておくと、より縁起が良いとされています。
【まとめ】テトを知れば、ベトナムがもっと好きになる
ベトナムのテト(旧正月)は、家族と親戚が集まり、桃の花を飾り、お年玉を配り、ひたすら親戚を訪ねて過ごす、一年でいちばん温かい一週間です。新年のあいさつは、まず「Chúc mừng năm mới!」を覚えて、そこに相手(anh/chị)や縁起の良いひと言を添えていけば大丈夫。それだけで、ベトナムの人との距離がぐっと縮まります。
私自身、妻の実家で過ごしたテトは、言葉の教科書だけでは決してわからない”ベトナムの心”に触れられた時間でした。まずは上の音声を何度も聞いて、身近なベトナムの方に「Chúc mừng năm mới!」と声をかけるところから始めてみてください。
なお、日ごろのあいさつをベトナム語で覚えたい方は「ベトナム語のあいさつフレーズ集」、これから学習を始める方は「ベトナム語の始め方|初心者が最初にやる5ステップ」、独学に使えるアプリは「ベトナム語アプリのおすすめ7選」もあわせてどうぞ。

「発音が合っているか自分では分からない」「テトの時期に、現地の人と自然にあいさつを交わせるようになりたい」という方は、「ロアンのベトナム語講座」で、ネイティブ講師に直接みてもらうのが近道です。
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