こんにちは!株式会社MORE UP BOOST代表の中嶋です。
「ベトナム料理のメニュー表、何が何だか分からない..」。現地の食堂やベトナム料理店で、そんな経験はありませんか?
私は2019年、ハノイの技能実習生送り出し機関で日本語教師として働いていました。当時はベトナム語を全く勉強しておらず、屋台で「フォー」とカタカナ読みで言ってもまったく通じず、指差しでなんとか注文した苦い思い出があります。その後、妻(ベトナム人のロアン)に発音を直してもらってからは、注文で困ることはなくなりました。
この記事では、ベトナム在住経験とベトナム人の妻を持つ立場から、メニュー表でよく見る定番18品の名前・読み方・注文フレーズをカテゴリ別に紹介します。旅行前の予習にも、日本のベトナム料理店でメニューを読むのにも使ってください。

📌 中嶋駿のプロフィール
✅️株式会社MORE UP BOOSTの代表取締役
弊社は、日本とベトナムを繋ぐ架け橋として、オンラインベトナム語講座の運営や日本食品のベトナムへの輸出販売等の事業を行っています。
✅️ロアンのベトナム語講座の運営
受講者500名以上、導入企業40社を誇る「ロアンのベトナム語講座」を運営中。完全マンツーマン担任制のオンライン授業で、初心者でも短期間でベトナム語が話せるようになるよう、質の高い講師陣と教材を揃えています。
✅️YouTube「カケル&ロアン」の運営
チャンネル登録者数14,000人を超えるYouTube「カケル&ロアン」では、国際結婚の視点を活かしてベトナム文化や語学の情報を発信しています。
✅️妻はベトナム人
妻のロアンはベトナム北部出身。日常的にベトナム語に触れる環境で、本記事のベトナム語に関する内容もネイティブ視点で確認しています。
先に結論(この記事で分かること)
- 定番18品のベトナム語表記と読み方が分かる。メニュー表の文字と料理が結びつきます。
- そのまま使える注文フレーズ付き。基本の型は「Cho tôi + 数量 + 料理名」の1パターンだけです。
- 現地の相場感も紹介。相場を知らずに払いすぎた私の失敗談つきです。
注文フレーズの基本形は1つだけ
個別の料理に入る前に、注文の型を先に覚えてしまいましょう。ベトナム語の注文は、ほぼこの1文で足ります。
Cho tôi một + 料理名 チョー トイ モッ〜
=「〜を1つください」
「một(モッ)」が数字の1です。2つなら「hai(ハイ)」、3つなら「ba(バー)」に置き換えるだけ。器の種類によって「bát/tô(丼)」「suất(1人前)」「cái(個)」「cốc/ly(グラス)」といった単位の言葉が間に入りますが、各料理のところにそのまま使える形で載せているので、丸ごと覚えれば大丈夫です。
麺・スープ系のベトナム料理6品
ベトナムは、麺料理の種類の多さでギネス世界記録に認定されている国です。フォーだけ知って帰るのはもったいない。麺好きには天国のような国なので、ここの6品はぜひ食べ比べてください。
1. Phở (フォー)|まずはここから、国民食の米麺スープ

平たい米麺を、牛(phở bò)または鶏(phở gà)の澄んだスープでいただく国民食。ライムを搾り、ハーブをちぎって入れて、自分の味に仕上げるのがベトナム流です。現地の相場は1杯35,000〜50,000ドン(約200〜300円)ほどで、この値段でスープまで飲み干せる美味しさです。
冒頭に書いたとおり、私はこのフォーの注文で「カタカナ読みが通じない」洗礼を受けました。屋台のおばさんに何度言っても首をかしげられ、鍋を指差してようやく1杯。その夜にロアンから正しい発音(「フ」と「オ」の間の音と声調)を教わってからは、ちゃんと通じるようになりました。
もうひとつ、フォーには失敗談があります。ハノイの安ホテルに1週間ほど滞在していた頃、近所のフォー屋で「6万ドン」と言われ、そういうものかと払っていました。後でロアンに聞くと、相場よりだいぶ高い外国人価格(ぼったくり)だったと判明。相場を知らないと、高いのか安いのかの判断すらできません。この記事に相場の目安を入れているのは、この失敗があるからです。
2. Bún chả (ブンチャー)|ハノイ名物、スープも飲めるつけ麺

米の細麺(bún)と炭火焼きの豚肉が別皿で出てきて、甘酸っぱいつけダレにくぐらせて食べる、ハノイ名物のつけ麺スタイル。日本のつけ麺と違ってタレごと飲めるのが特徴です。オバマ元大統領がハノイで食べたことでも有名になりました。
我が家では、ロアンの実家近くにある店の常連です。炭火の香ばしさは日本のどの店でも再現できていないと感じるレベルで、それがいまだに1杯3万ドン(約180円)。帰省のたびに必ず食べに行きます。
3. Bún bò Huế (ブンボーフエ)|古都フエのピリ辛牛肉麺

中部の古都フエ発祥の、レモングラス香るピリ辛スープの牛肉麺。フォーより太い丸麺で、コクと辛さがしっかりあります。あっさりしたフォーに慣れたら、次はこれ。辛いものが好きな日本人にはフォーよりこちらが刺さることも多いです。
4. Hủ tiếu (フーティウ)|南部の定番、透明スープの米麺

ホーチミンなど南部の朝ごはんの定番。豚骨ベースの透明なスープに、コシのある細い米麺、豚肉やエビ、うずらの卵などが乗ります。スープなしの和え麺(hủ tiếu khô)も選べます。北部のフォーに対して「南部の顔」と言える麺です。
5. Mì Quảng (ミークアン)|ダナン周辺の「汁少なめ」混ぜ麺

ダナン・ホイアンのある中部クアンナム地方の名物。ターメリック色の幅広麺に、少量の濃いスープ、エビや豚肉、砕いたライスクラッカーが乗り、混ぜて食べます。スープ麺と和え麺の中間のような一皿で、日本人観光客に人気のダナン旅行では外せません。
6. Bún đậu mắm tôm (ブンダウマムトム)|上級者向け、エビ発酵ダレのつけ麺

茹でた米麺と揚げ豆腐、茹で豚などを、紫色のエビ発酵ダレ(mắm tôm)につけて食べるハノイの人気メニュー。このタレの匂いがかなり強烈で、ベトナム料理の中でも好き嫌いがはっきり分かれます。現地の若者には大人気なので、匂いに抵抗がなければ挑戦する価値ありです。苦手なら魚醤(nước mắm)ダレに替えてもらえます。
パン・軽食系のベトナム料理5品
7. Bánh mì (バインミー)|1本100円しない「天国のような料理」

フランス統治時代に伝わったバゲットに、炭火焼き肉やパテ、なます、パクチーを挟んだサンドイッチ。私がベトナムで一番衝撃を受けた食べ物です。1本100円を切る値段なのに、肉もパンも絶品。注文後に鉄板でプレスして温めた軽いパンと炭火焼き肉の組み合わせは、日本のバインミー店でもなかなか再現されていません。安くて美味しい、天国のような料理です。
8. Gỏi cuốn (ゴイクン)|おなじみの生春巻き

日本で「生春巻き」として知られる、エビ・豚肉・野菜・米麺をライスペーパーで巻いた一品。ピーナッツ入りの味噌ダレや魚醤ダレでいただきます。揚げていないのでヘルシーで、野菜が不足しがちな旅行中の一皿としても優秀です。
9. Chả giò/Nem rán (チャーゾー/ネムザン)|揚げ春巻きは南北で名前が違う

豚ひき肉やきくらげ、春雨をライスペーパーで巻いて揚げた春巻き。南部では chả giò、北部では nem rán と、同じ料理でも地域で呼び名が変わります。メニュー表でどちらの表記を見ても「揚げ春巻きのことだ」と分かれば大丈夫。ハーブと一緒にレタスで巻いて、魚醤ダレで食べると本場流です。
10. Bánh xèo (バインセオ)|パリパリのベトナム風お好み焼き

米粉とココナッツミルク、ターメリックの生地をパリパリに焼き、エビ・豚肉・もやしを包んだ「ベトナム風お好み焼き」。xèo(セオ)は生地を焼くときの「ジュー」という音から来ています。ちぎってライスペーパーや葉物で巻き、タレにつけて食べます。
11. Bánh cuốn (バインクオン)|つるつる食感の蒸し春巻き

米粉の生地をクレープのように薄く蒸し、豚ひき肉ときくらげを包んだ北部の朝ごはん定番。つるんとした食感で、揚げ物が続いた胃に優しい一品です。フライドオニオンと魚醤ダレをかけていただきます。
ご飯系のベトナム料理2品
12. Cơm tấm (コムタム)|炭火焼き豚肉のせ「砕き米」ごはん

精米時に砕けた米(tấm)を炊いたごはんに、炭火焼きの豚肉や目玉焼き、なますを乗せたホーチミンの定番。砕き米はパラッと軽い食感で、甘辛い焼き肉と魚醤ダレによく合います。がっつり食べたい昼にちょうどいいワンプレートです。
13. Cơm chiên (コムチエン)|迷ったらこれ、ベトナム風チャーハン

ベトナム風チャーハン。魚醤で味付けするのが特徴で、日本のチャーハンよりあっさりめです。エビ入り(cơm chiên hải sản=海鮮チャーハン)が定番。どの店にもだいたいあるので、メニューが読めずに困ったときの「安全牌」としても覚えておくと便利です。
サラダ・鍋のベトナム料理3品
14. Gỏi/Nộm (ゴイ/ノム)|さっぱり和えサラダ

青パパイヤや蓮の茎などを、エビや豚肉、ハーブ、ピーナッツと甘酸っぱいタレで和えたサラダ。これも揚げ春巻きと同じで、南部では gỏi、北部では nộm と呼び名が変わります。こってりした料理の合間の口直しに最高です。
15. Lẩu (ラウ)|大勢で囲むベトナム鍋

ベトナムの宴会といえばこれ。酸味のあるスープに、肉や海鮮、大量の野菜と麺を入れて大勢で囲む鍋料理です。lẩu gà(鶏鍋)、lẩu hải sản(海鮮鍋)などスープの種類が豊富。ベトナム人との食事会に誘われたら、高い確率でラウが出てきます。
16. Gà luộc (ガールオック)|塩・コショウ・ライムで食べる茹で鶏

鶏を丸ごと茹でて、塩・コショウ・ライムを混ぜたシンプルなタレで食べる家庭料理。素材の味で勝負する一皿で、ベトナムの鶏肉の美味しさがいちばん分かる食べ方だと思います。旧正月(テト)や法事など、大事な日の食卓には欠かせません。
コラム:テトの朝、義母が生きた鶏を捌いた話
この茹で鶏には忘れられない思い出があります。ロアンの実家で初めて旧正月(テト)を過ごしたとき、義母が庭で生きた鶏をその場で捌き、丸ごと茹で鶏にしてくれました。スーパーのパック肉しか知らない私には衝撃でしたが、ベトナムの地方では鶏をはじめ動物を自分で捌ける人が珍しくなく、「食べる」ことと「命をいただく」ことの距離が日本よりずっと近いのだと実感しました。そうして出てきた茹で鶏は、格別の味でした。
食文化の違いでいうと、地域によっては犬肉・猫肉・蛇肉・ねずみ肉などを扱う店が普通にあります。ロアンの実家から徒歩1分の場所にも犬肉料理の専門店があり、初めて見たときは驚きました。日本人の感覚では受け入れにくいかもしれませんが、これも現地に根付いた食文化の一部です。旅行中に看板(thịt chó=犬肉、など)を見かけても、そういう文化だと知っておくと落ち着いて受け止められます。
スイーツ・飲み物のベトナム料理2品
17. Chè (チェー)|具だくさんのベトナム風ぜんざい

豆、芋、果物、ゼリー、もち米などをココナッツミルクと合わせた、ベトナム風ぜんざい。温かいものも冷たいものもあり、具の組み合わせで種類は数えきれません。街のチェー専門店で1杯100円前後。食後や散歩の途中の甘味にどうぞ。
18. Cà phê sữa đá (カフェスアダー)|練乳入りアイスコーヒー

濃く抽出したロブスタ種のコーヒーに練乳を加えた、ベトナム名物のアイスコーヒー。苦味と練乳の甘さのバランスが病みつきになります。コーヒー生産量世界2位のベトナムでは、カフェ文化が生活の一部。食後の1杯にぜひ。
相場を知っておくと、私のような失敗をしなくて済む
フォーの項で書いたぼったくり体験から学んだのは、「相場を知っておくこと」がそのまま防御になる、ということです。目安として、ローカル店ならフォーやブンチャーなどの麺類が3万〜5万ドン(約180〜300円)、バインミーが1.5万〜2.5万ドン(約90〜150円)、カフェスアダーが2万〜3万ドン程度。観光地価格でもこの1.5〜2倍が上限ラインです。
そして、値段を聞く・確認するにも一言のベトナム語が効きます。「Bao nhiêu tiền?(バオニエウティエン?=いくらですか?)」と先に聞くだけで、「この客は相場を知っていそうだ」と伝わり、ふっかけられにくくなります。本記事の注文フレーズと相場感をセットで頭に入れておけば、私と同じ失敗はまず避けられます。
よくある質問(FAQ)
Q1. カタカナ読みのままで現地で通じますか?
通じないことがよくあります。ベトナム語には6つの声調があり、音の高低が違うだけで別の単語になるためです。私も「フォー」が通じませんでした。メニューの文字を指差しながら言う、翻訳アプリの音声を併用する、といった保険をかけつつ、正確な発音は音声やネイティブに教わるのが確実です。
Q2. ぼったくりを避けるにはどうすればいいですか?
「相場を知っておく」「値段が書いていない店では先に値段を聞く」の2つでほぼ防げます。麺類3万〜5万ドン、バインミー1.5万〜2.5万ドンあたりが目安。会計時に相場の2倍以上を言われたら、その場で確認して構いません。
Q3. パクチーが苦手です。抜いてもらえますか?
もらえます。「Không cho rau mùi.(ホン チョー ザウムイ=パクチーを入れないでください)」と伝えればOK。多くの店ではハーブ類が別皿で出てくるので、自分で入れなければ済むことも多いです。
Q4. ベジタリアンでも食べられる料理はありますか?
あります。ベトナムには仏教由来の菜食文化があり、「chay(チャイ=精進)」と付くメニューや精進料理店(quán chay)が各地にあります。「phở chay(精進フォー)」のように、定番料理の菜食版を出す店も見つかります。
Q5. 注文フレーズはこの記事の分だけ覚えれば足りますか?
注文だけなら「Cho tôi một〜」の型と料理名で足ります。ただ、店の人との雑談や値段交渉、おすすめを聞くところまでいくと、基礎の学習が必要です。何から始めるかは「ベトナム語の始め方」で解説しています。
【まとめ】料理名が読めると、ベトナムはもっと美味しくなる
定番18品の名前と注文フレーズを紹介してきました。メニュー表の文字が読めて、「Cho tôi một〜」の一言が言えるだけで、指差し注文だった頃とは旅の景色が変わります。私自身、発音を直してもらって注文が通じた日から、屋台めぐりが一気に楽しくなりました。
ここから独学で進めたい方は「ベトナム語の独学方法」や「ベトナム語アプリのおすすめ」も参考にしてください。

ただし、この記事でも繰り返し書いたとおり、カタカナ読みの最大の壁は発音(声調)です。私の「フォーが通じない」問題を解決したのは、アプリでも本でもなく、ネイティブに直接直してもらうことでした。本気で「通じるベトナム語」を身につけたいなら「ロアンのベトナム語講座」の受講をおすすめします。
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