皆さんこんにちは、㈱MORE UP BOOST代表の中嶋です。
今回はベトナム語で「やばい」の表現方法を紹介していきます。
本記事の権威性
現在、私は総受講者数100人以上、導入企業数10社を突破した、日本最大級のオンラインベトナム語会話「ロアンのベトナム語講座」を運営しています。こちらの事業を通して知ったこと、ベトナム人講師から教えてもらったことも紹介していきます。
本記事の参考文献
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- “Vietnamese: An Essential Grammar” by Routledge.
- “Colloquial Vietnamese: The Complete Course for Beginners” by Routledge.
ベトナム語の特徴
ベトナムは何語を話すの?
ベトナムはベトナム語が公用語であり、約1億人が母語として話しています。ただし、一部の地域では中国語やクメール語(主にカンボジアで話される言語)が話されていることもあります。
日本語と異なる特徴
「ベトナム語について全く知らないんだけど..」というあなたに向けて、ベトナム語の特徴を簡単に紹介します。
【特徴②】フランス語由来のものもある
【特徴③】アルファベットで成り立つ
【特徴④】声調を使って発音される
【特徴⑤】大きく分けて北部弁、南部弁、中部弁がある
ベトナム語の特徴や、文法、日本語との違いについては「【ベトナム語とは?】特徴や日本語との違いを徹底解説【発音や文法も紹介】」で詳しく解説しています。
ベトナム語の人称代名詞は超重要
ベトナム語の人称代名詞は、性別や年齢、社会的地位などの関係性によって変化します。。これは日本語と大きく異なる点です。
こちらはベトナム語の二人称の表です。「あなた」と言いたい場合、日本語なら「あなた/君」、英語なら「You」と簡単に表すことができますが、ベトナム語の場合、相手との立場によって使う二人称が異なります。
例えば、私[cháu](男・26歳)が、おばあちゃん[bà](女・75歳)を呼ぶ場合「Bà ơi!」を使い、私はごはんを食べたとおばあちゃんに伝える場合「Cháu đã ăn cơm rồi」になります。これがベトナムでは一般的なので、ベトナム語の人称代名詞は必ず覚えておく必要があります。
人称代名詞について詳しく知りたい方は『【音声付き】ベトナム語初心者のための人称代名詞完全ガイド!』をご覧ください
ベトナム語で「やばい」の表現
ここから本題に入ります。ベトナム人が日常的に使う「やばい」の表現を11つ紹介します。
vãi|やばい
“Vãi”という表現は口語で、日本語の「やばい」に近い意味を持つスラングです。多くの場合、その感情が否定的であるか、肯定的であるかは文脈から判断します。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Anh ấy chơi bóng đá vãi.(彼、サッカーすごいよ。)
Đồ ăn ở đây vãi.(ここの料理、最高だよ。)
anh ấy「彼」
chơi「遊ぶ」
bóng đá「サッカー」
vãi「やばい」
đồ ăn「料理」
ở「〜に」
đây「ここ」
ただし、「vãi」はスラングであり、若者の間で使われることが多く、正式な場や上司・年配者など尊敬すべき人物との会話では避けたほうがよいとされています。
vãi|やばい
kinh vãi|超やばい
“Kinh vãi”という表現は、ベトナム語のスラングで、日本語の「超やばい」や「超すごい」といった意味に近いものがあります。”Kinh”は「驚き」を意味し、”vãi”は強調語として使われます。従って「kinh vãi」を和訳すると「すごく驚いたこと」になります。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Cô ấy hát kinh vãi.(彼女の歌、めちゃくちゃ上手だよ。)
Bài kiểm tra khó kinh vãi.(そのテスト、超難しかったよ。)
cô ấy「彼女」
hát「歌う」
kinh vãi「超やばい」
bài kiểm tra「テスト」
khó「難しい」
例えば、友人が予想以上に歌がうまいと感じたときや、テストが難しかった時、「kinh vãi」を使って感想を表すことができます。
ただし、この表現も「vãi」同様、スラングであり、正式な場や目上の人との会話では避けたほうが良いでしょう。
kinh vãi|超やばい
Oi dời ơi|オーマイガー
“Oi dời ơi” はベトナム語の口語表現であり、非常に驚いたときや、何か予期しない事態に直面したときに使用されるフレーズです。英語でいう “Oh my God!” や “Oh my gosh!” に相当します。良いことにも悪いことにも使うことができます。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Oi dời ơi, giá này đắt quá!.(オーマイガー、この価格は高すぎる!)
giá「価格」
này「この」
đắt「[価格が]高い」
quá「とても」
注意点として、”Oi dời ơi” はカジュアルな表現であり、公式な場やビジネスのシーンでは使用を避けるべきです。
Oi dời ơi|オーマイガー
Trời ơi|オーマイガー
“Trời ơi”はベトナム語での一般的な感嘆詞の一つで、英語の”Oh my God!”に相当します。さきほど紹介した”Oi dời ơi” と同じような意味です。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Trời ơi, nóng quá!(ああ、暑すぎる!)
Trời: 「天」または「空」
ơi: この単語は呼びかけの際に使われる
nóng: 「暑い」
quá: 「〜すぎる」
Trời ơi|オーマイガー
Chết rồi|くそったれ
“Chết rồi”はベトナム語でよく使われる表現で「もうダメだ」や「困ったな」という意味で用いられます。より口語訳するなら「くそったれ」でも良いでしょう。
chếtは「死ぬ」、rồiは「~してしまった」という意味で、直訳すると「死んでしまった」となりますが、文字通りの死を示すわけではなく、予期しない事態や問題に直面した際の感情を表現するのに使用されます。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Quên mang ví, chết rồi!(財布を忘れた、くそったれ!)
Quên: 「忘れる」
mang: 「持ってくる」
ví: 「財布」
Chết rồi|くそったれ
Mẹ kiếp!|くそ!(一般的な表現)
“Mẹ kiếp”はベトナム語のスラングの一つで、主に驚き、怒り、不快感などの強い感情を表現する際に使われる感嘆詞です。この言葉の直接の翻訳はやや難しく、日本語での正確な相当する表現は存在しませんが、ニュアンスとしては「しまった!」や「くそ!」などに似ています。
mẹは「母」、kiếpは漢字の「劫」で、仏教世界の「世」を表します。つまり「ついてないこの世」という意味です。
注意点として、”Mẹ kiếp”は口語的であり、また少し粗野な言葉とも言えるため、公式な場面や年配者、知らない人との会話などでは使用を避けるのが望ましいです。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Mẹ kiếp, sao lại như này?(くそ、なんでこんなことに!?)
sao: 「どうして」
lại: 「再び」や「その上」のニュアンス
như này: 「こんなふうに」
Mẹ kiếp!|くそ!(一般的な表現)
Mẹ nó !|くそ!(乱暴な表現)
“Mẹ nó!”はベトナム語の口語表現で、直訳すると「あいつの母!」となりますが、実際の用法としては「しまった!」や「くそ!」といった感じの強い感情を表現する際に使用される感嘆詞です。主に驚き、怒り、不快感、または強い焦燥感を伝えるために使われます。
mẹは「母」、nóは「あいつ」という第3者を卑下した言い方です。
この表現は日常のベトナム人の会話の中でよく聞かれますが、公的な場や年配の人、尊敬すべき人物の前では使用を避けるべきです。若者や友人同士の間では頻繁に使われる一方、ビジネスの場や正式な状況での使用はタブーとされています。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Tại sao máy tính lại hỏng? Mẹ nó!(なんでまたパソコンが壊れてるんだ?くそ!)
Tại sao: 「なぜ」
máy tính: 「コンピュータ」または「パソコン」
lại: 「再び」
hỏng: 「壊れる」
なお、Mẹ kiếp!”は”Mẹ nó!”よりもやや強い表現として捉えられ、強い不快感や驚きを伴う状況で使われることが多いです。
Mẹ nó !|くそ!(乱暴な表現)
Chó chết !|もうヤダ!
“Chó chết!”はベトナム語のスラング表現のひとつで、直訳すると「死んだ犬」という意味になります。しかしこのフレーズの日常での使い方は、直訳の意味とは異なり、主に驚きや不満、苛立ちを伝えるための感嘆詞として使用され「もうヤダ!」や「くそ!」といったニュアンスになります。
このフレーズは、特に若者の間でよく使用されるスラングのひとつとして知られています。しかし、その性質上、正式な場面や年配の人々、または知らない人との会話など、公的な場面での使用は避けるべきです。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Chó chết! Sao lại mưa?(もうヤダ!なんでまた雨なの?)
Sao: 「なぜ」
lại: 強調や再度の意味を持つ、この文脈では「また」
mưa: 「雨」
Chó chết !|もうヤダ!
dữ vậy sao?|こんなにひどいの?
“dữ vậy sao?”はベトナム語で「それほど激しいのか?」や「それほど酷いのか?」という意味を持つ疑問文です。
各単語の意味は、dữは「激しい」、「酷い」、「厳しい」といった意味を持つ形容詞です。一方、「vậy」は「そのように」という意味で、「sao」は疑問文を作る際に使われる「どうして」や「なぜ」という疑問詞です。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Thời tiết hôm nay dữ vậy sao?(今日の天気はこんなに酷いのか?)
Thời tiết「天気」
hôm nay「今日」
dữ vậy sao?|こんなにひどいの?
quá đáng|度が過ぎてる
「quá đáng」は「過度である」「度が過ぎる」という意味で、ある事象が非常識である、または期待を超えた状況を表す際に使います。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Mình ăn đã quá đáng.(私、食べ過ぎた…)
Tôi thấy cuộc vui của chúng tôi đã quá đáng.(私たちのパーティーはやり過ぎだったと思う。)
・Mình「私(フレンドリーで、主に友達や知り合いに使う)」
・ăn「食べる」
・đã「〜した[過去]」
・quá đáng「過度である」
・Tôi「私(少し固い表現でビジネス面で使うことが多い)」
・thấy「思う」
・cuộc vui「パーティー」
・của「の」
・chúng tôi「私達(少し固い表現で、聞き手は含まない)」
これらの表現は、食べ物が美味しくて食べ過ぎてしまった場合や、パーティーで盛り上がりすぎたときなどに使います。
quá đáng|度が過ぎてる
khủng khiếp|恐ろしい、凄い
「khủng khiếp」は「恐ろしい」や「凄い」という意味で、「やばい」の一種の強調表現として使われます。
例えば、下記のような例文で使うことができます。
Chúng ta chơi game khủng khiếp.(私たちはすごいゲームをやっている。)
Chị làm việc đã khủng khiếp.(姉さん、働き過ぎだよ。)
chúng ta「私達(聞き手を含む)」
chơi「遊ぶ」
game「ゲーム」
khủng khiếp「恐ろしい」
chị「姉|(自分より15歳以内の)年上の女性」
làm việc「働く」
đã「〜した[過去]」
このように、楽しいゲームに夢中になっている時や、仕事を頑張りすぎている友人を見たときに使います。
khủng khiếp|恐ろしい、凄い
まとめ
今回は、ベトナム語で「やばい」の表現方法を解説しました。
本記事で紹介したフレーズをぜひ練習して、ベトナム語力をアップさせていきましょう!
ちなみに「ベトナム語の挨拶も覚えたい!」という方は「【音声つき】ベトナム語の挨拶一覧|フレーズ25選」をチェックしてみてください。
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